森本の繁生ちゃんと末広がりの8月8日夜行う二人会(→クリック!)
会場下見に行った後、暑いからちょっと一息入れようとたまたま見つけた
お店。これが大当たりだった。
場所はうつぼ公園北。
カウンターだけのお店で、マスターがいい顔してる。
アイスコーヒーを頼んだら
「まかしといて。うちのは特別やで。
氷が溶けるにつれおいしくなるアイスコーヒーやから」
出てきた。
実のところ、ぼくはアイスコーヒーを好まない。
みんな(全員で5人)同じもののほうがいいだろう、と
合わせた。
なぜ好まないかというと、なんとなく味がエグいから。
通常、ぼくはコーヒーをブラックで楽しむ。
しかしアイスコーヒーだけはなんていうの? ミルク?
フレッシュ? あの白い液体を入れないとなんとなく
エグくて飲めないし、かといって、白いのを入れたら
口の中がベタついていやになってしまう。全部飲めない。
ところがですね。
この店のアイスは、とってもおいしく、すいすい入っちゃう。
マスターいわく、やはり特別なつくりかたをしているらしい。
通常の三倍(だったと思う)の豆を使って濃いめに作り、
そこへ一気に氷を放り込む。
「ストローなど使わず、ほかの何もまぜることなく、お茶を飲むように
楽しんで下さい」(マスター)
「もうこれで他の店のアイスコーヒー飲めなくなったね」
一同の感想だ。
この店の創業年と、同行していたひさやんとがおない年(1975年)とわかった。
「それだけ長く商売続けられる秘訣は何ですか?」
マスター、ちょっと考えて。
「ほんものを出し続けることやろね」
まさにストライク!
「値段、関係ないからね。ほんものをきちんと出す。これやね」
あと、
・マスターがいつも元気で、お客さんの記憶に「元気なマスター」と植え付けること
・いろんな催しをして、場を活気づけること
たしかに、コーヒー教室とか、ライブとか、マスター手作りの旬の料理(いまなら鱧)とか、
いろんな企画がある。
「いやー。勉強になりました。また来ます! この店のカードか何か、ないですか?」
「ないねん。スタンプでいい?」
「いい、いい、スタンプがいい!」
「出たー。さかもとさんブログネタや〜」(周囲の声)
何かの紙の切れ端に押してもらったスタンプ。
アナログが、いいねえ!




コメント
コメント一覧 (6件)
いい物は、いつの時代でも受け入れられる。
商売、ビジネスの原点は、実は時代が変化しようが変わる事が無い様な気がする。ついつい上辺だけを見るくせがついたのかな。
最近、考えれば考えるほど、そう思う。
只、伝え方が変化した、あるいは、変化させなければならないと。
大王、そうですね。ほんものは時代を超えますね。由紀さおりの1969年の曲が、いま、あらためて注目されているように。
由紀さおりがピンク・マルティーニと共演するという新しい伝え方が、注目されるようになったように、「伝え方」は
リニューアルする必要があると考えています。
かき氷はじめました、とか、名物カツカレー、なんていう喫茶店でありがちな貼紙は一切なく、あるのはコーヒー教室のポスター一枚と、五名以上用の料理会のお知らせのみ。コーヒーの香りとエイジングされた壁、経年劣化を感じさせない、きちんと手入れされた椅子とテーブル。
飲食店のスタンダードがしっかり整っているのは、細部まであのマスターがこうあるべきという姿を常にイメージし続けてきたからでしょうね。
コーヒーを通した興味の輪がしっかりある店でした。
TM、ストイックな面と、「何でもリクエスト言ってね」的な面と、二面性ある、不思議な空間でしたね。
ただ一つ、売っているのはマスターの腕(それが珈琲であれ、料理であれ)、という直球も、感じました。
この匠の言葉スゴイですね!
「ほんもの」を「出し“続ける”」。
私も同い年ですが、自分の人生37年弱を振り返って、変わらず続けていることなんて息して生きてるくらいのような(笑)
匠がもし途中でニセモノ出してたら言えない言葉ですね~
Shizukaさん、そうですね。ほんものを出し続けてきた自負があるからこそ言える言葉なんでしょうね。
だからこその凄みを感じます。