六花亭にはいつも勉強させられる。
よくある観光地のお菓子屋さんの姿勢は「有名になったら、次は、全国制覇!」
という戦国武将みたいな発想だ。空港や駅キオスクにどかん、と置いてもらいたい。
broadcastingな発想で、どうも「いま」の空気とは違うよね。
消費期限3時間のサクサクパイ。
消費期限2時間の雪こんチーズ。
みやげにならないって(笑)。
そのかわり、店で召し上がって戴いて結構です、と、店内にテーブルと
コーヒーが無料でおいてある。
お客さんは節度を守って、利用し、楽しんでいる。
(これが大阪だったら、まず確実に、住むやつが出てくる。)
札幌市内の真駒内六花亭ホール店で見た「満足保証制度」のマニフェスト。
これは、六花亭の「提案する価値」についてのマニフェストと言ってもいい。
概要は、こうだ。
「多くの製品を作っているが、お客さんが口にするのはあくまでもその中の一つ。
一つだけれども、その大切な一つがいい加減な製品では許されません。
だから、お口に合わない、いつもとちょっと違う、など、どんな理由でも構わないので、
気になったら言って下さい。返金、交換、いかようにでも対応します」
そして、4つの良い食品の条件について。
「安心して食べられる」
「ごまかしがない」
「味が良い」
「品質に応じた妥当な価格」
としている。
こう宣言したら、あとには引けない。
「安けりゃいいんでしょ?」
「この値段なんだから、こんなもんでしょ?」
「オマケつけたら、あんた買うんでしょ?」
「バーゲンするから、ほら買いなさいよ」
という、怠慢以外の何ものでもない「貧乏の拡散と浸透」戦略
しか取れない商人が多い中、六花亭の姿勢は、キラリと秀でている。