成功・失敗という言葉を、辞書から消してしまっていい。

出来事は、ただ淡々と起こっているだけで、それを

受け入れられたら「正=成功」、受け入れ難かったら「負=失敗」と

レッテルを貼ってしまうのが人間だ。

しかし、たとえば一念発起、「ホノルルマラソン完走!」と決意したとする。

結果、スタートして10分も走らないうちに肉離れし、ダイヤモンドヘッドまでたどり着く

前にリタイアしてしまった。しかも実はホノルルマラソンではなくて、地元の小さな

マラソンだったとその時初めて気づいた(現実にはあり得ない設定だが)。

これって、失敗だろうか。

一生ネタにできる話じゃないだろうか。

鳥取は米子への出張、上司とホテル朝食会場にいた。バイキング方式だ。

前夜飲み過ぎておなかの調子がゆるい。

うーむと思っていたが、まあこんなもんだろうと「油断」し

サラダ取ろうと一瞬気を許した途端、尾籠な話で恐縮だが、

ゆるんだため、やっちゃった。

スーツ姿である。

幸い、トランクスではなくパンツだったので、すぐにもれることはない。

上司は先にテーブルについて、ぼくが来るまで箸をつけず待ってくれている。

さあ、どうする?

この話はサラリーマン時代のぼくの実話だが、30年近く経ったいまでも

ネタにできる。

そう、「すべてはネタ」であり、それを自分が受け入れられるかどうかでレッテルを

貼るとおかしなことになる。上司の前で食事中に「やってしまった」成人男子という

「おいしい」ネタなんて、「受け入れる」しかない(笑)。

「自分の成長のための学び」なんていう真面目なとらえかたすら、する必要はない。

そもそもパンツから学ぶことなど、何もない!(笑)

そこにあるのは「トホホな自分」と、30年保つおいしいネタだけなのだ。

そう考えると、「ドッカーン!」と、まるちゃんなら顔に斜線がいっぱい入る

事件のほうが、大歓迎するべきネタだ。

すべてはネタ! すべては面白い!