大阪の蔦屋書店のフリースペースみたいなところ、既に住人あるいは
主のような人が陣取っている。JR大阪駅を見下ろす絶好の景色を
独り占めしながら、膝の上にはMacBook Airを乗せ、家財道具一式
を詰め込んでいるらしきリュックサックを足元に置いて。
そして時々、「あー。発想が〜!」
みたいな様子でアタマをかきむしる。
ノマドな人である。
こういう人、蔦屋ができる前はどこかそのへんのスタバの主
だったはずである。
オフィスを持たず、どこでも自由に移動して仕事する人のことを
遊牧民からの連想で「ノマド」というのだそうだ。
言わせてもらう。
そんなことでは君のビジネス、育たないよ。
なぜか。
家賃負担の重力Gのないビジネスは大きくならないからである。
ビジネスは、人件費、家賃、光熱費、借入金などの、どうしようもない
Gのおかげで財務体質が鍛えられる。利益を出さなきゃ、と
ビジネスモデルを磨く動機になる。
ぼくは会社員で副業していた時代から、事務所としてマンションの
部屋を借りていた。ちゃんと家賃支払って。
自由に、コーヒー代だけで、あるいは蔦屋のようにコーヒー代さえ
負担せずに、Wi-Fiも使えて、電源もあって・・・。
そんなんで、ビジネスが鍛えられるはずがない。
君の言葉には重みもない。
重みがないから説得力がない。
そういうとこやぞ。


コメント
コメント一覧 (2件)
クリエイティブな発想は、無重力な方が斬新なアイデアが産まれる気もしますし、持ち物件からすれば賃貸に誇らしげになるのも…となるでしょうし、拠点は構えながらノマドな方も多いかと。
無駄なコストを省き、然るべき所にコストをかけるのが最もな気がしますので、今回のご指摘は多少ずれているかと思いますが、いかがでしょう…(^^;;
コメントありがとうございます。ぼくの人生哲学が根っこにあります。それは「重力(G)があるほど、磨かれる」というものです。独立してニューヨークへ渡ったときも、ブランド構築のため、敢えて家賃や物価の高い、つまりGの大きいマンハッタンど真ん中(42nd)にオフィスを構えたのも、根っこは同じです。また、物件を購入するか賃貸かも人生のオプションでして、それについては長くなるので割愛します。今度お会いした折、フェイス・トゥ・フェイスでじっくりお話できればと願っています。ちなみに、Gについては、来月発売される『ブランド・ジーン 〜 繁盛をもたらす遺伝子』(日経BP刊)に詳しく書いていますので、よろしければ読んでみてください。ニューヨークへ渡ったときのブランド戦略については『繁盛したければ、「やらないこと」を決めなさい』(日本実業出版社刊)に書いています。ご参考までに。 Gene bless you!