デビュー作(→)以来、ぼくのマーケティング対象は
デジタルな人
に限られていた。
アナログな人の存在は無視していないけれど、
でも、やがて
アナログな人もデジタルな人になる
という進化論的な考えでいた。
間違いだった。
ネットを使わない5,670万人
検索しない6,000〜7,000万人
SNSやらない7,000万人
とのことだ。
考えていて、
ジモッティー
というコンセプトにゆきついた。
ジモッティーはぼくの造語だ。
地元から離れず、離れたがらず、中学校の校区の範囲に近い、
半径5kmの生活圏ですべてを済ませたがる人たちのことだ。
この考えは原田曜平さん(→)のヤンキー論でさらに裏打ちされた。
ヤンキーも、ジモッティーの中に入る。
彼らは基本、アナログである。
スマホは持っているが、電話とLINEで使うくらい。
明石に住んでいる女性(30代前半)と話していて、休日は三宮とかに行って遊ぶの?
と聞いたら、ノーだった。三宮に魅力を感じないから、大阪とか
に行くのかな、と思って、さらに聞いたら、地元にいるという。
その時は不思議な気分だったのだけど、要するに、
出たくない
のだ。
また、「結婚相手は大阪市北区在住に限る」と言っている
大阪市北区在住の女の子(20代後半)を知っている。
大阪市北区といえば、阪急百貨店やルクアやHEPファイブや
リッツカールトンホテルやらがひしめく大都会だ。
決して田舎ではない。
だから、都会であるとか地方であるとかいう話ではなく、
ジモッティーは一つのライフスタイルなのである。
彼らはネットよりも、周囲の仲間の意見で意思決定する。
検索しない。
SNSなんか、信頼していない。
LINEは使うが、互いの連絡のため。
「あー。かったるい、月曜日。昨日飲みすぎたけどがんばる」
というタイムラインへの書き込みに
「がんばって」
「応援!」
「おれもふつかよいだけどがんばる」
「日曜日たのしみやね」
「たのしみ」
「どこいく?」
・・・
などなどえんえん続く。
大した内容ではない。
ただ、「つながっている」確認のための書き込みだ。
フォーカス・マーケティング(→)を進化させる必要を感じている。
キィワードは、
ジモッティーだ。
これを
ジモッティーの反乱
と呼んでいる。
ま、反乱してるわけじゃないんだけど(笑)、彼らを無視してきた
自分への戒めとして。