知人のネットショップ経営者が

「飽きたんやけど、どないしたらええやろ」

と言った。

ショップは繁盛している。

ニッチな市場を狙い、狙いは当たり、見事に収益を上げている。

でも、「先が見えた」のだそうだ。

「ブランド、残したいの?」

「いっさい、未練、ないねん」

彼女の頭の中にあるのは

「これからどうする?」

という問いだけなのだ。

そして、この問いは、とても重要で、今後多くの人がぶつかる先陣を切っている。

ドラッカーもどこかで書いていたが(探そうにもいま、那覇なので、書棚がない)、

「職業の寿命を、人間の寿命が遥かに超えてしまった」

時代なのだ。

会社員は定年が必ず来る。60なのか65なのかわからないけど。

でもね。まだ若いよね。やれるよね。

自営業に定年はない。

ないけど、やっているうちに、懸命に取り組めば取り組むほど、

自分で自分の市場を陳腐化していく。

なぜなら、「懸命に取り組む」イコール「商品が行き渡る」

ことであり、ということは、「珍しくなくなる」わけだから。

鮮度が落ち、自分自身新鮮さを求め始める。

ぼくは41歳の春、会社辞めてニューヨークへ渡り、起業した。

二毛作の始まりだ。

2011年秋、葉山から大阪へ住む拠点を移した。三毛作の始まり。

これはいまから見ると大正解だった。

環世界が更新されたし、商売に新しさが加わった。

そして来年2017年、また新しいことを始める。四毛作である。

仕事、楽しんでますか?

もし、「なんだかなー」

という気分だったら、ひょっとすると、新しいことを始めるいい機会

かもしれない。

そしてそのあなたを支えるのは、組織の壁を超えた、個人対個人のつながり

であり、会社員であっても、人生のポジションを定位させるのは社外の

ネットワークだということを再認識しよう。

にもかかわらず会社員、特に大企業の社員はSNSに不熱心だ。

組織から出たとき、さあ、二毛作に取り掛かろうとしても、ネットワークが

貧しければ、まず、無理だよ。

自営業者も、いまの事業を育てるのは当然だけど、飽きちゃったら、

やめてしまえばいいんだよ。

すべては環世界、主観が創り出したもの。幻想だ。

ぶち破って、構わない。

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