『パーミションマーケティングセミナー』(略してPMS)という本があって、

わたくし阪本の書き下ろしデビュー作品。

99年11月に『パーミションマーケティング』を出して、即企画が進み、

のべ2日か3日で書いた。2000年4月の出版。

ちょうど12年前だね。この月、ぼくは旭化成を卒業し、ニューヨークへ

渡った。こころが忙しく、売れ行きなんか、知ったこっちゃなかった。

でも、当時『パーミション』が売れている時でもあり、

発売前から増刷が決まるといった景気のいい本だった。

書棚を整理していたら発見し、読み返してみると、現在の

状況を予言している。引用します(イタリック体)。

『PMS』p.39です

『PMS』p.39です

現代のわれわれを取り巻く経済を「e-エコノミー」と呼ぶことにする。

この経済を流通している基軸通貨はドルや円ではない。といって、

「情報化社会」という言葉から安易に類推されるような「情報」でも

なく、もっと進化・深化した知識が、流通通貨になっている。

流通するのは「e化した知識」、即ち、電子武装された知識

(electronic knowledge)だ。そして、もう一つ、「experience」、

経験、電子武装された知識と、豊かな経験。「e」と、単純表記する。

このe-エコノミーでは、インターネットは次の三つの「レス(less)」を

特徴としてもつようになる。

(1) ワイヤレス (wire-less)

(2) パソコンレス(PC-less)

(3) インターネットレス(internet-less)

この三つの「レス」は、まさに現在のビジネス環境を表現している。

家庭でも職場でもカフェでもwifiが飛んでいるからLANケーブルなどを使うことは稀(まれ)

だし、どこでもスマホやタブレットで、あえてパソコンを使わないで済む(本書当時の

ノートパソコンでモバイルしようと思えば重いし大げさだった)。そしてそもそも

「インターネット」という言葉も、意識しなくなっている。

そして、e-エコノミーの市場の特徴を、次の4つにまとめている。

写真で掲載します。

拙著『PMS』p.51

『PMS』p.51

鬼才ケビン・ケリーが見抜いたように、e-エコノミーでは、顧客は企業の「内部化」

される。

あなたは企業が電話線の向こう側に配置した社員と同じくらい「内部」化される。

*『ニューエコノミー勝者の条件』(酒井泰介訳、ダイヤモンド社)より引用

これらの議論、面白い。MAIDO-international2期はこれから始めようかな。