業界にいると、そこが天となり、地となる。
つまり業界という小さな球体が世界のすべてになる。
スカイマークのサービス・コンセプトが一部で話題になっていて、批判する
人もいれば、応援するよ! という人もいる。
「飛行機だけが特別」という航空業界に一石を投じる意味はわかるが、
それ以上のものではない、というのがぼくの意見だ。
ま、「飛行機に乗ったらわし、エラい!」と勘違いする愚かな未熟者が多い
のも事実で、顧客サイドもスマート(sophisticated)にならなきゃならないのは確かだが。
スカイマークではない「従来の航空会社の客室乗務員」のサービスが優れているか
というとたいしたことは無い。いつだったかこのブログで書いたように、
「必要な時に、必要な情報を顧客へ提供する応用力」皆無で、
「愛想のいい料理運び人」の域を出ていないのが正直なところだろう
(あいかわらず口悪いなあ、わし)。
機内販売のアクセサリーの商品知識も乏しいし、ただ笑って立っているだけである。
つまり、業界という小さな球体に住んでいると、顧客の求めている水準と自社の水準が
ずれてしまっていることに気づかない。
JR東海の新幹線改札口で
「おはようございまーす」
「おはようございまーす」
と挨拶するためだけに立っている社員。
JR東海は、あれが「サービス」だと考えているのである。狭い球体の中で。
笑止千万、乗客にとっては、乗り継ぎや到着地での次のアクセス先へのTIPSを
持っている人がいてくれたほうがよほど上級のサービスになる。
あるいは、何らかのトラブルで新幹線が遅れた時の対応策の相談係とか。
現状、彼らにいま挙げた知識と経験とやる気は無い。
球体の中で閉じこもって、外に出るのがこわい人たち、という言い方もできる。
あながち、航空業界やJR東海に限った話ではない。