上質なホテルとはどんなものだろう。

豪華な調度品、キラキラ輝く夜景、どんな無理難題でもイエスと対応してくれる

ホスピタリティ・・・

以上、どれも、違う気がする。

快適な空気。

これだけで売りになる。

上質の証になる。

というのも、いまみたいな冬、出張して泊まるホテルの

空調がどこもつらいからだ。

寒いから、暖房を入れるとガンガン騒音がして

しかも部屋の中はカラッカラ。

加湿器を入れるとこれもまた

「わし、働いてまんねん!」

とでも言いたそうな恩に着せた音をたてる

(どうして加湿器の音って、恩着せがましく感じるのだろう)。

寒いから暖める

暑いから冷やす

という発想から一歩進めて、

最適な空気を提供する

という空気の価値を提案してくれるホテル。

実は自宅でも難しい。

だから、近所なのに、わざわざ泊まりに行ったりする人もいるかもしれない。

ベッドや部屋の広さ、眺望、家具什器の豪華さ、「おもてなし」

などといった価値基準で動いているホテル業界には期待できない。

「快適な空気」を実現するテクノロジーを持っていないし。

テクノロジーを持っているのは、実は家電メーカーだ。

パナソニックが企画・運営する快適ホテルがあっても

いいと思う。

家電メーカー、いつまでもテレビ、冷蔵庫、洗濯機、掃除機

じゃないだろうから。

ホテルは、宿泊を売る、というのではなく

空気を売る、という風に再定義してもらえたら嬉しい。