1998年末、シリコンバレー(パロアルト)にある師匠トム・ピーターズの
オフィスへ行くことに決めた。
会社員だったので、年末年始の休暇を利用してだ。
師匠とはいうものの、トムはぼくのことなど知らない。
知らないが、行くことにした。行けば、なんとかなるだろう。
で、ついでだから、サンフランシスコで忘年会をやろうと思いつき、
メルマガSurfin’で呼びかけたところ、4人の手が挙がった。
トム師匠訪問記はSurf Backに書いていて、電子メディア『ブログベスト』
に収録されているため、ここでは省きます。
で、4人とチャイナタウンで楽しく忘年会をして、中にKさんという
起業家がいた。
彼と、またどこかへ旅しよう、と気が合った。
そこで翌年1999年のゴールデンウイークを利用して、まだ行ったことのない
ニューヨークへ行くことになった。現地で集合だ。
で、オフブロードウェイミュージカルのチケットを買うため
シアターに行ったら販売は正午からだった。
場所はユニオンスクエア。
北側に、バーンズ&ノーブル書店がある。
時間つぶしに入ったそこで、平積みになった
『Permission Marketing』を見、坊主頭の表紙に衝撃を受けて
読み始めたところ、面白い。止まらない。座り読みして、時間を
忘れた。
これはもう、ぼくが日本に紹介するしかない。
確信した。
それまで本なんて出したことなかったし、
そもそも英語の本をアタマからシッポまで読み通したこともなかった。
翔泳社の編集者がSurfin’の読者で、時々面白い本を互いに紹介し合っていた。
帰国後、早速『Permission Marketing』を紹介したところ、翻訳版権が空いている
ことがわかった。セスの前著はダイヤモンド社から出ており、どうも売れ行きが
芳しくなかったようで、優先権があったにもかかわらずダイヤモンド社は
見送ったらしいのである。
その夏かけて翻訳し、11月に出版された。
ドッカーンと売れた。当時はまだアマゾンが日本に出ていないから、
リアル書店だけの販売だ。それでもすごかった。NHKまで取材に来た。
そしてこの翻訳が、ぼくの新しい人生へのドアを開けてくれたのである。
interruption marketing vs permission marketing
対になっていて、
interruption marketing を
土足マーケティング
と訳したのは、いまでも満足している。